島津製作所、基本性能を向上させた新型万能試験機を発売---制御・データ処理機能も一新

2011/08/10 18:35高田 憲一=日経ものづくり
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110810/195372/

島津製作所は、制御・データ処理などの基本性能と操作性を大幅に向上させた新型
万能試験機「UH-X」「UH-FX」シリーズ、同「UH-Xh」「UH-FXh」シリーズを発売し
た(ニュースリリース)。万能試験機は、油圧によって材料や製品に荷重を加え、
引っ張り/曲げ/圧縮などの強度を試験する装置。新興国での普及や用途の多様化に
伴い、熟練者ではない操作者が増えており、特に操作性に改善にこだわった。

 UH-X/UH-FXシリーズは、タッチパネル搭載の10.4型カラー液晶ディスプレイを採
用し、試験条件の設定や、試験結果とそのグラフ表示などを直感的に操作できるよ
うにした。また、セミオートチューニング機能を装備しており、試験中に測定した
試験片の荷重やひずみのデータを基に、フィードバック制御に必要なパラメータを
自動で調整できる。その結果、最適な応力制御・ひずみ制御のためにこれまで欠か
せなかった予備試験を不要にできた。

 また、従来の万能試験機では、最適な分解能を得るために試験片に与える最大荷
重を予測してレンジを設定する必要があったが、新製品は分解能が高いので1つの
レンジで対応できる。UH-X、UH-FXのデータ処理に関しては、「Windows7」対応の
ソフト「TRAPEZIUM X」を接続することにより、最高1msの短い間隔でデータをサン
プリングすることが可能になった。

 同時にラインアップしたUH-Xh/UH-FXhシリーズには、ACサーボモータと油圧ポン
プを組み合わせて高効率制御を実現するハイブリッド油圧源を搭載した。ハイブリ
ッド油圧源は必要なときのみポンプが駆動する構造を採用し、作動油量の削減と、
約50〜80%の消費電力の削減を実現している。

 価格は、UH-Xシリーズ(200k〜1000kN、4機種)が871万〜1260万円、UH-FXシリ
ーズ(300k〜1000kN、3機種)が930万〜1742万円。UH-Xhシリーズ(300k〜1000kN
、4機種)が1040万円〜1552万円。UH-FXhシリーズ(300k〜1000kN、3機種)が1206
万〜2033万円。初年度130台以上の販売を目指す。