【決算】シャープの2011年度第1四半期、「計画通り」に純損益は492億円の赤字

2011/07/28 15:10佐伯 真也=日経エレクトロニクス
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110728/193758/?ref=ML

液晶テレビ事業は黒字化
 部門別の業績をみると、エレクトロニクス部門では液晶テレビや携帯電話機など
の「AV・通信機器」は、売上高が前年同期比14.7%減の2976億円、営業利益が同
39.2%減の75億円となった。液晶テレビは、販売台数が同22.3%増の329万台、売上
高が同11.1%減の1543億円となった。「国内市場では、アナログ停波前の駆け込み
需要により台数が伸びた一方で、価格下落が大きかった」(シャープの野村氏)。
液晶テレビ事業については、「金額は非公開だが、黒字化を達成した」(同氏)。
携帯電話機は、販売台数が同37.1%減の210万台、売上高が同30.8%減の925億円。
「新機種の投入が第1四半期の後半以降と出遅れた」(同氏)とする。

 白物家電などの「健康・環境機器」は、震災後、LED照明機器など省エネルギー
性を高めた製品が好調に推移し、売上高が前年同期比14.8%増の743億円、営業利益
が同26.9%増の67億円となった。デジタル・カラー複合機などを手掛ける「情報機
器」は、売上高が同0.6%減の661億円、営業利益は25.0%増の58億円。

◆液晶と太陽電池は赤字に
 電子部品部門に目を向けると、液晶は売上高が前年同期比28.0%減の1880億円、
営業損益が46億円の赤字になった。スマートフォンや車載機器向けを中心に中小型
品が好調だったが、震災などにより大型液晶生産工場の生産調整を実施したことが
影響したとする。
 太陽電池は、売上高が前年同期比11.1%減の513億円、営業損益は37億円の赤字を
計上した。「省エネ意識の高まりから国内向けの販売は好調だったが、欧州需要が
低迷した」(シャープの野村氏)という。太陽電池の販売量は、同0.5%増の259MW
だった。
 
◆年間予測は据え置き
 2011年度の見通しは、売上高が前年度比0.9%増の3兆500億円、営業利益が22.9%
増の970億円、純利益は同69.1%の60億円と、2011年6月の発表を据え置いた。シャ
ープの想定以上に円高・ユーロ高が進んでいるが、「コストダウンなどでカバーし
ていく」(同社の野村氏)とする。