電着ダイヤモンドワイヤ製造技術_立命館大

SOURCE 京都新聞8/27

ダイヤモンド粒子に導電性を持たせるために銅などで被膜を創る工程を改善。

?ツールバンク 立命館大学谷研究室の研究業績を実用化するために設立された立
命館大学の学内ベンチャーカンパニー
http://www.ritsumei.ac.jp/se/~tani/tool_bank/index.html

立命館大説明資料
http://www.ritsumei.jp/topics_pdf/admin_8ba2d9d199bc8f0036ac7f7346ca64a6_1314356265_.pdf

研究開発は、滋賀県の助成(H21-23年度,滋賀県中小企業新技術開発プロジェクト補
助金)を受けて立命館大学と?ツールバンクが共同で、電着ダイヤモンドワイヤの
製造技術および装置(図1)の開発を行っています。この装置はすでに市販されて
おり、コンパクトでフットプリント(設置面積)が小さいにもかかわらず、安定し
て10m/min以上の製造速度(すでに納入したお客様では20m/min以上の製造速度を実
現)を実現できる世界最速の製造装置となっています。しかもめっき液は完全密閉
型になっており、外に全く露出しないという作業環境にも考慮した装置となってい
ます。
砥粒保持力の向上やダイヤモンドワイヤの高速製造のために金属被覆したダイヤモ
ンド砥粒(コートダイヤ)が使用されていますが、長時間の製造においては被膜の
溶出や不働態膜の生成のために砥粒の導電性が低下して付着しにくくなるという問
題点がありました。また図1の装置の応用でダイヤモンドワイヤを複数本同時に製
造する装置を開発しようとすると、電力消費量が大きく非常に設置面積が大きな装
置になるという問題点がありました。
今回、これらの問題点を解決する金属被覆ダイヤモンド砥粒およびマルチダイヤモ
ンドワイヤ製造装置を開発し、近い将来に上市化する運びとなりました。

用語
ダイヤモンドワイヤ:
ダイヤモンド砥粒をピアノ線の表面に固着した研削工具。ダイヤモンド砥粒を樹脂
でピアノ線に固着したレジンボンドダイヤモンドワイヤとダイヤモンド砥粒をめっ
きでピアノ線に固着した電着ダイヤモンドワイヤがある。従来は価格の安いレジン
ボンドダイヤモンドワイヤが主流であったが、耐熱性・耐摩耗性に優れる電着ダイ
ヤモンドワイヤの価格が下がったため、現在では電着ダイヤモンドワイヤが主流と
なっている。