世界最高効率のJ形ガスタービン 実証運転で世界最高のタービン入口温度1,600℃を達成

SOURCE 三菱重工プレスリリース 5/26
http://www.mhi.co.jp/news/story/1105265075.html

三菱重工業の最新鋭 J形ガスタービンが、世界最高のタービン入口温度1,600℃を
達成した。高砂製作所(兵庫県高砂市)内の実証設備複合サイクル発電所で2月初
旬から行われていた実証運転で達成したもので、これにより、J形ガスタ-ビン検証
の最終確認を完了した。同機種は関西電力株式会社 姫路第二発電所向けに6基を納
入する予定。

 今回の機種は2009年春、当社独自技術により開発した60HzのM501 J形ガスター
ン。ガスタービンの効率はタービン入口温度が高いほど向上するが、同機種は、こ
れまで最高を誇ったG形ガスタービンの入口温度1500℃をさらに高めた1,600℃で、
これにより、ガスタービン定格単機出力約32万kWを実現。また、排熱回収ボイラー
および蒸気タービンを組み合せたガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発
電では出力約46万kWとなり、発電端熱効率は世界最高水準の60%以上(低位発熱量
)※を達成する。

 環境負荷の低減に大きく貢献するのも特長。ガスタービンにより発電を行い、そ
の排熱を利用して蒸気タービンでも発電するGTCC発電は、発電効率が大幅に向上す
るために、CO2排出量を大幅に低減することが可能だが、これにJ形ガスタービン
用いると、従来型石炭焚き火力発電と比べCO2排出量を約50%低減することができ
る。一方、通常、燃焼温度が高まるにつれて増加する窒素酸化物(NOx)の発生は
従来機と同レベルに抑制できる。

 当社はガスタービンの開発設計から製造、実証までを一貫して高砂製作所内で手
掛けている。実証設備複合サイクル発電所はその敷地内にあって、これまでも大型
ガスタービンとその要素技術の実証を行うなど、新型ガスタービンの商用化や更な
る高温・高効率化技術の開発と検証・実証に大きな役割を果たしてきた。

 当社は、今回のM501 J形ガスタービンに続き、50HzのM701 J形ガスタービン
2014年に出荷する予定。


注:ガスタービンの世界シェアが首位は米GE、1500度が最高レベル。