トヨタ自動車、Liイオン2次電池を採用した「プリウスα(アルファ)」を発売

2011/05/13 16:37林 達彦=日経Automotive Technology
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/CAR/20110513/191760/?ref=ML
トヨタ自動車は2011年5月13日、ハイブリッドミニバン「プリウスα(アルファ)
」を発売した。トヨタとしてハイブリッド車の主電池に初めてLiイオン2次電池
採用した。本来4月下旬に発売を予定していたが、東日本大震災の影響で発売が遅
れた。
 
 「プリウス」のハイブリッドシステムを踏襲し、Liイオン2次電池を搭載する7人
乗り仕様と、Ni-MH(ニッケル水素)2次電池を搭載する5人乗り仕様の2種類がある
。価格は5人乗り仕様が235万円から、7人乗り仕様が300万円から。10・15モード燃
費はともに31.0km/L、月間販売目標台数は3000台。
 
 車両寸法は全長4615?全幅1775?全高1575mm、ホイールベースは2780mm。これはプ
リウスより全長が155mm、全幅が30mm、全高が85mm大きい。「外観はプリウスのイ
メージを残したが、部品はほとんど違い、サイズは二回りほど大きい」(担当者)
という。
 
 特に苦労したのは、日欧米で販売するクルマとして「全世界に通用するサイズと
燃費とのバランス」だった。2列シート車で535Lという広い荷室容量は、米国での
要望が強かった。欧州では背が高いミニバンが多いが、そこは燃費のためにやや低
い全高で、長さを伸ばすことで押し切った。日本における10・15モード燃費の目標
は「30km/L以上」であったが、それより1km/L高い31.0km/Lにできた。
 
 車両質量は5人乗り仕様が1450kg、7人乗り仕様が1480kgと、いずれも1500kgを切
る。7人乗り仕様は、3列シートを実現するために、運転席と助手席の間のセンター
コンソール内にLiイオン2次電池を搭載した。Ni-MH2次電池の半分まではいかない
が、大幅に質量を削減できたことで、3列目シートがありながら質量増を30kg増に
とどることができた。なお、5人乗り仕様はプリウスと同様に荷室の後席側下部に
Ni-MH2次電池を収納している。
 
 また、トヨタ車で初となるPC(ポリカーボネート)製パノラマルーフを選べる。
これは豊田自動織機が開発したもので、ガラス製に比べて40%質量を軽くできたと
いう。オプション価格は10万5000円だ。このほか、車両の挙動を検出して、ロール
やピッチが抑まる方向にモータの駆動力を瞬時に制御する「ばね上制振制御」を初
めて採用した。